2016/10/11 桜井耕造
資産管理のオープンソース(SnipeIT)の紹介
<資産管理のオープンソース(SnipeIT)の紹介>
これまでOTRSやCMDBuildで資産管理する提案、導入してきていたが、
ITILとして運用管理をしたいのではなく、単なる台帳管理、ライセンス管理
をしたいだけの時、大掛かりな設計と導入開発の工数がかかっていた。
もう少し台帳として管理できるようにOSSがないかと探していたら、
SnipeITというソフトウェアを見つけた。
Snipe-IT: https://snipeitapp.com/
開発元: Grokability, Inc(アメリカ)
(まだ、設立1年程度の会社のようです。)
デモ環境: デモ環境が用意されているので、操作感を確かめられます。
https://snipeitapp.com/demo
<推奨の動作環境>
・Apache: 2.4以降
・MySQL、MariaDB
・OS: CentOS6/7,Redhat Enterprise Linux 6/7
・PHP: 5.5以降
(1)資産管理
今までExcelなどで資産管理台帳をWebで管理できます。煩わしいライセンス管理や、備品などの貸し出し状況などを
視覚的に操作できるソフトウェアです。主に管理できる台帳は以下となります。
①資産管理(PCやサーバ、機器などの台帳管理)
台帳例: 資産名、管理部門、製造元、モデル、減価償却期間、減価償却日など
②付属品管理(プロジェクター、プリンターなどの台帳管理)
台帳例: 備品名、設置場所、製造元、購入額、個数、利用可否のフラグなど
③消耗品管理(ボールペン、消しゴムなどの台帳管理)
台帳例: 消耗品名、管理部門、設置場所、個数、利用可否のフラグなど
④構成部品管理(クラウドのインスタンスなどの管理台帳)
台帳例: 構成部品名、設置場所、個数、利用可否のフラグなど
(2)ライセンス管理
ソフトウェアのライセンスキー、使用者、残ライセンスの管理などができます。1クリックで、チェックアウト、チェックインができるため、ユーザー負担が少なく、ライセンス管理ができます。
(3)その他管理機能
・保証書とライセンスを期限切れアラートメール
・バーコードスキャナとQRコードリーダーアプリとの統合
・資産などのステータス管理
(4)ユーザー管理
・CSVからユーザーをインポート
・AD/LDAPによるシングルサインオン
(AD/LDAPを介したインポートもできるらしい)
・ユーザーアクションの一括実行
<まとめ>
Snipe-ITだと複雑な設計などなく、比較的に簡単に導入して資産管理が出来る。Snipe-ITは色々なAPIが用意されていないので、連携するときは開発手法の注意が必要だ。インベントリ収集ソフトウェア(OCS Inventory NGやOpenAudit)と付き合わせして更新管理などの連携すると運用の効率化ができそうだ。まだ、新しいソフトウェアなので、今後の機能拡張に期待したい。
<補足>
Snipe-ITは単純に資産管理のデータを管理するだけです。IT資産管理ができて、ITIL準拠で構成管理ができて、自動でインベントリ情報を取得する仕組みをOTRSとOpenAudITのOSSを活用して、パッケージ開発しました。商用製品と比較するとかなり格安ですので、ご興味あれば、こちらをご参照下さい。