チケット管理サポート(OTOBO)
OTOBOは、サポート業務を支援するチケット管理ソフトウェアです。主な用途として、コールセンターのようなヘルプデスク業務のチケット管理と、ITIL準拠システム運用のチケット管理に適したソフトウェアです。以下、機能の紹介をします。
■OTOBOとは
開発: OTRSをフォークして2020年7月に誕生
OTOBOソフトウェアダウンロード: https://otobo.de/en/otobo-download/
OTOBOマニュアル: OTOBO管理者マニュアル(英語版)
インストール手順: OTOBOのインストール手順
ライセンス: GPL v3
■Znunyとは
開発: OTRSをフォークして2021年1月に誕生
Znunyソフトウェアダウンロード: https://download.znuny.org/releases/
Znunyマニュアル: Znuny管理者マニュアル(英語版)
インストール手順: Znunyのインストール手順
ライセンス: GPL v3
(1)ヘルプデスク製品として使用
ヘルプデスクの機能を紹介します。
Znuny及びOTOBOをコールセンターとして利用するときは、こちらへ。
ヘルプデスク機能 | 内容 |
---|---|
サポートデスク | ・チケット画面の自由なカスタマイズ(ダイナミック・フィールド) ・ドロップダウンなどの選択肢の抽出(アクセス制御リスト) ・キューのエスカレーション機能 ・PBX連携による画面表示 ・既存のチケットをOTRSのチケットへ移行(CSVインポート) ・顧客、担当者、一般向けに分かれたWebインターフェース ・営業日カレンダー、営業時間の定義によるSLA機能 ・チケットの自動返信機能 ・挨拶文、署名、返信など(6種類)の記事作成のテンプレートの利用 ・チケットのロック機能 ・顧客へのアウトバンド通知機能(メール発報) ・チケット工数の集計、残工数の表示 ・メール通知機能(初回応答期限の超過、ロック解除期限の超過、保留期限の超過)...など ・イベントによる特殊処理の実行通知機能 ・構成アイテム、FAQ、他のチケットとのリンク ・SLA定義のロジック変更(弊社の追加開発で実現) ・チケット一覧の表示項目の修正 ・ステータスの変更 ・ワークフローの作成(プロセス管理機能) ・既存メールボックスの取込み ・マスターを登録、修正 ・チケットの検索 |
ナレッジ(FAQ) | ・FAQ記事のカラムを自由に追加、修正が可能 ・FAQ記事をフォルダー分けして管理 ・顧客Webインターフェース、一般WebインターフェースにもFAQ記事の公開が可能 ・FAQ記事の公開範囲を権限分け ・FAQ記事とリンク(インシデント管理、問題管理) ・公開FAQ記事の承認ワークフロー機能 ・FAQ記事の検索、PDF、CSV出力 |
アンケート調査 | ・顧客満足度調査のメール通知 ・アンケート集計 |
要員管理 | ・プロジェクト工数入力 ・プロジェクト工数修正 |
サポート・アセスメント | ・システムログを閲覧 ・SQL文による閲覧 ・セッション管理(切断など) |
統計 | ・チケット一覧リストをCSV(Excel)出力 ・チケット一覧リストをPDF出力 ・グラフ表示機能 |
タブレットGUI | タブレットのサイズに合わせた表示になっています。 ・チケット作成、返信、表示 |
(2)ITIL製品として使用
ヘルプデスクの機能を紹介します。
Znuny及びOTOBOは、ITIL準拠ソフトウェアを認定している国際認定機関(PinkVerify)がインシデント管理、問題管理、要求実現、構成管理、変更管理、ナレッジ管理の6プロセスを認定しているオープンソース・ソフトウェアです。以下に記載はしていませんが、多機能で、商用製品に引け劣らない製品です。
イベント管理の主な機能
・監視システムで検知した監視メールをOTRSに取り込むことが可能です。この機能を使うと、ネットワーク機器のリンクダウンしたら、チケットを起票し、同一メッセージを1つのチケットにマージしたり、リンクアップしたら、自動的にクローズさせることが可能です。詳しくはこちらでご確認下さい。
以下は、「いつくしま Kompira Connector」による機能拡張をしたときの機能になります。
「いつくしま Kompira Connector」とは、こちらをご参照下さい。
・ZabbixのイベントをトリガーにOTRSのチケットを自動的に作成したり、記事を追記したり、クローズにしたりするサンプルプログラムを提供します。
インシデント管理の主な機能
・顧客、担当者、一般向けに分かれたWebインターフェースがあるので、顧客とチケットの共有が出来ます。
・既存メールボックスのメールをインシデント・チケットとして登録できます。
・メールの、送信元やタイトル、本文の内容を見て、自動的にカラムに値を代入することが可能です。
・担当するキューにチケットが新規できたり、フォローアップ・メールが来たり、エスカレーションしたりしたら、該当の担当者へメール通知します。
・テンプレートを作成することで、返信時、転送時などにテンプレートから簡単返信が可能です。
・チケットのイベント発生時に自動的にメール返信することが可能です。
・初回応答期限の超過、ロック解除期限の超過、保留期限の超過)...などによるメール通知が出来ます。
・メールの送信時に確認画面を表示させて、誤送信メールを防止することが可能です。「いつくしま ConfirmEmail」による機能拡張をしたときの機能になります。「いつくしま ConfirmEmail」とは、こちらをご参照下さい。
・チケットのロックすることで、他の担当者に修正をブロック出来ます。
・チケットの対応期限として、営業日カレンダーや営業時間の定義があり、SLA違反の通知機能があります。
・インシデント・チケット画面の管理項目を自由にカスタマイズ出来ます。
・ドロップダウンで選択した内容を元に、別のドロップダウンを抽出表示出来ます。
・インシデント・チケットの選択肢(ダイナミック・フィールド)のマスターを自由に追加、修正、削除が可能です。
・インシデント・チケットと他のチケットやFAQ記事、構成アイテムとリンクできます。
・インシデント・チケットの検索、PDF出力、CSV出力できます。
・キューのエスカレーションによる担当するグループを変更出来ます。
・インシデント・チケットの記事単位に作業時間を入力することで、合計で対応にかかった時間を集計表示することが可能です。1つのチケットでどれだけの作業時間がかかったかの管理が出来ます。
・インシデント・チケットのイベント発生時にシェルを実行したりして、外部連携が可能です。
・チケット一覧の表示項目を個社ごと、各個人ごとに自由にカスタマイズ出来ます。
・ステータス、優先度などでカテゴリ分け出来ます。
・ワークフローの作成(プロセス管理機能)
問題管理の主な機能
以下は、「いつくしま EasyProblemManagement」による機能拡張をしたときの機能になります。
「いつくしま EasyProblemManagement」とは、こちらをご参照下さい。
・インシデント管理チケットの内容をコピーして問題管理チケットをクイック作成出来ます。
・問題管理専用のチケット画面を作れます。標準では、インシデント管理でチケット作成画面を作ると、問題管理専用のチケット作成画面を作ることができません。
・問題管理チケットの選択肢(ダイナミック・フィールド)のマスターを自由に追加、修正、削除が可能です。
・問題管理チケットと他のチケットやFAQ記事、構成アイテムとリンクできます。
・問題管理チケットを検索、PDF出力、CSV出力できます。
ナレッジ(FAQ)の主な機能
・FAQ記事を担当者ログイン画面、顧客ログイン画面、ログイン認証なし画面の3つの画面に表示出来ます。
・FAQ記事をグループやロールによるアクセス制御が出来ます。
・FAQ記事をフォルダ分けして管理出来ます。
・FAQ記事のフィールド(カラム)を自由にカスタマイズが可能です。
・FAQ記事とチケットや構成アイテムとリンクできます。
・FAQ記事を公開前に上長の承認によるワークフローを実装できます。
・FAQ記事を検索、PDF出力、CSV出力できます。
構成管理の主な機能
以下は、「いつくしま CMDB ReadyToUse」による機能拡張をしたときの機能になります。
「いつくしま CMDB ReadyToUse」とは、こちらをご参照下さい。
・クラスを自由に追加作成出来ます。デフォルトでは次の7個用意されています。
・サーバ、ネットワーク、コンピュータ、アプリケーション、ソフトウェア、ロケーション、サービス
・構成アイテムを管理項目を自由にカスタマイズ可能です。
・構成アイテムの修正履歴を管理できます。
・構成アイテムののデータを一括でCSVでインポートしたり、エクスポートしたり出来ます。
・構成アイテムに格納されているデータを検索して、表示させることが可能です。
・チケット、変更チケット、SLA、FAQ記事、他の構成アイテムとのリンクが可能です。
・構成アイテムに添付ファイルを保存できます。
・インベントリを自動収集してCMDBで管理出来ます。
・構成アイテムの選択肢のマスターを自由に追加、修正、削除が可能です。
・構成アイテムを機器のライフサイクルのステータスで管理出来ます。
「在庫未登録」「使用中」「在庫」「修理中」「有効期限切れ」「破棄未承認」「破棄済」
※自社の運用に合わせて、新たにステータスを追加することも可能です。新規で検知した機器は、いきなりクラスに登録せずに「未承認」ステータスで登録されます。
・構成アイテム単位でグループやロールによるアクセス制御が可能です。
・自動で収集したインベントリ情報を元に自動でライセンス管理出来ます。
・ソフトウェアの保守の有効期限切れのメール通知が出来ます。
OTRS参考資料
「OSSで出来るインシデント管理とサービス資産管理及び構成管理の自動化」の資料はこちらです。(2018/12/14)
「OTRSで業務ワークフローの実現と最新バージョン6の紹介」の資料はこちらです。(2017/12/8)
「OTRS5sの新機能」の資料は、こちらです。(2016/11/11)
「今、ヨーロッパのオープンソースが熱い!OTRSと連携OSSの導入事例」の資料はこちらです。(2015/8/4)
「OTRS4の新機能紹介」の資料は、こちらです。(2014/12/12)
「OTRS入門 -クラウド時代の運用管理をITILで最適化する-」は8連載で設定方法については参考になります。
・「OTRSのインストール」の記事はこちらです。(2011/12/01)
・「ITSMパッケージのインストールとOTRSの日本語化」の記事はこちらです。(2011/12/08)
・「OTRSの基本設定」の記事はこちらです。(2011/12/22)
・「OTRSのインシデント管理」の記事はこちらです。(2012/01/12)
・「OTRSの問題管理とナレッジ管理」の記事はこちらです。(2012/01/26)
・「OTRSのサービス資産・構成管理」の記事はこちらです。(2012/02/08)
・「OTRSの変更管理(前編)」の記事はこちらです。(2012/02/17)
・「OTRSの変更管理(後編)」の記事はこちらです。(2012/02/24)。