2015/03/23 桜井耕造
OTRSでビジネス・プロセスを実装
<OTRSでビジネス・プロセスを実装>
OTRSでは、運用管理に必要なインシデント管理や問題管理などのチケットを管理するだけではなく、ビジネス・プロセスを定義して、ワークフロー機能を利用したチケット管理の機能があります。内部管理用などの承認ワークフローや、構成管理や変更管理の業務フローとして利用することが出来ます。ここでは、情報システムの管理業務の1つでもあるPC管理業務をOTRSで利用したときの例をご紹介します。
(1)どんなビジネス・プロセスを作成できるのか?
OTRSの利用方法は、一般的に顧客と担当者がチケットの進捗や過去の情報を共有していく事が多いです。しかし、OTRSのビジネス・プロセスの機能を利用すると、社内で決められた業務プロセスを定義して、そのフローに基づいてチケットを管理することが出来ます。以下の業務フローは、情報システム部でPCを管理するための業務フローをOTRSで実装したときのものです。
[画像1: OTRSで作成したビジネス・プロセス]
<OTRSのビジネス・プロセスの特徴>
・複数の業務プロセスを作成できる
・1つのビジネス・プロセスでステープごとに管理画面を作成できる
・ビジネス・プロセスごとにステータス遷移を定義できる
(2)PC調達管理業務をOTRSで実装例
ステップ1:PC調達申請
ユーザーがPC調達の申請をする画面です。申請すると、部門長に承認依頼のメールが発報されます。
各ステップごとの入力画面は、以下の画像2のように自由にカスタマイズできます。
[画像2: PC調達申請]
ステップ2:部門長承認
申請されたチケットは、部門長のみが承認することができる権限を持ちます。この画面では、部門長が申請を承認したり、差戻をしたりします。承認することで、チケットのオーナーを情報システム部に変更します。以下の画像3のように下部には操作履歴(承認、差戻など)を表示させることもできます。
[画像3: 部門長の承認]
?ステップ3:情報システム作業
部門長の承認を得たチケットは、情報システム部に通知されます。PCを注文、そのPCのセットアップ、ユーザー通知をして、PCをユーザー完了します。
[画像4: 情報システム部の作業]
ここで紹介したプロセスは一例であり、他の業務プロセスも作成することも出来ます。運用業務には、承認などのワークフローを内部的に管理したいことチケットもあるかと思います。そのような業務もOTRSで管理すると、業務フロー用のソフトウェアライセンスを購入せずに済み、さらにコスト削減に繋がるのではないでしょうか。