2025/04/04 桜井耕造
OTOBOで出来るチケット管理の紹介動画です。OTOBOのデモ動画もありますので、ご興味ある方はご覧下さい。
2025/03/26 桜井耕造
商用のチケット管理システムからOTOBOシステムに切り替えた場合、データ移行することが可能であり、移行ツールを開発して移行すべきときはどんな時かが分かる動画になっています。ご参考にご視聴ください。
2025/03/17 桜井耕造
OTRSをまだご利用中のユーザー向けにOTOBOへ移行の説明となります。移行できなくなる前に移行することをお勧めいたします。
コロナの中に誕生したソフトウェアなので、OTOBOって何という方向けの動画です。ご興味ある方は、インストールして試してみるか、お問い合わせ下さい。
2025/03/03 桜井耕造
2025年2月21日(金)にオープンソースカンファレンス東京で、実施したセミナーの内容を一部修正して、動画にしてみました。OTOBO Ver11.0とBIZTELサービスを連携しての利用イメージを把握できるかと思いますので、ご検討の方はご参考にして下さい。約5分ほど動画となっています。
2025/02/27 桜井耕造
2025年2月21日(金)にオープンソースカンファレンス東京で、実施したセミナーの内容を一部修正して、動画にしてみました。OTOBO Ver11.0では、OTRSと顧客Webの画面が随分と変っていることが分かるかと思います。OTOBOの顧客WebでできることがOTOBOを知らない方でも、たった5分の視聴で分かるようになってますので、是非ご覧下さい。
次回は、コールセンター編を紹介する予定です。
2024/11/05 平見知久
お客様とお話させていただいていて、「とりあえずどんなものか触ってみたい」「自分でインストールできないか」という話題が上がることがあります。
OTOBO自体はオープンソースですのでマニュアル含めてすべて公開されていますので頑張れば自力で導入して触ってみることは可能です。ただしOTOBOはperlベースのアプリのため手動でOTOBOを導入するとなるとperlモジュールを揃えたりと慣れないと結構大変です。「OTOBOがどんなものかとりあえず触ってみたい」という場合、docker上で試してみるというのはお手軽な手段となります(docker環境を用意する必要はありますが)。
OTRS時代は弊社でもお試し用のdockerイメージを公開していたのですが、最近のOTOBOでは公式からdockerイメージ一式が公開されています。公開されているイメージではOTOBO本体に加えてDB(MariaDB), 検索用のElasticSearchまで一度に起動できるため、比較的簡単にOTOBOを試してみることができます。
公式のドキュメントは以下から参照できます(英語)。
Installing using Docker and Docker Compose
本記事ではとりあえず立ち上げるところまでかいつまんで紹介します。なお、前提としてdocker環境及びdocker composeが利用できるようになっている必要があります。また、docker操作端末側でgitが使えるようにしておいてください。
まずは定義ファイル類(docker-compose.ymlなど)を取得します。こちらは雛形がgithubで公開されていますので、git cloneで取得します。
$ git clone https://github.com/RotherOSS/otobo-docker.git --branch rel-11_0 --single-branch
次に、いくつかある事前設定から選択します。一番シンプルなhttpでのアクセスの場合、以下のコマンドを実行します。
$ cd otobo-docker $ cp .docker_compose_env_http .env
設定ファイルを編集します。最小限の場合、以下の2行を書き換えれば大丈夫です。OTOBO_DB_ROOT_PASSWORDは公開されている雛形ではDBサーバも同時に立ち上げますのでその管理者パスワードとなります。
$ vi .env COMPOSE_PROJECT_NAME=<一連のコンテナのグループ名> OTOBO_DB_ROOT_PASSWORD=<DBの管理者パスワード>
ここまでできたらコンテナ(群)を生成・起動します。
$ docker compose up -d
しばらく待つと、http://<ホストのIP>/otobo/installer.pl でOTOBOのセットアップの画面が表示できるようになります。DBやメール等の設定を行った後は http://<ホストのIP>/otobo/index.pl でOTOBOの画面にアクセスできます。
OTOBO自身はチケット管理業務のアプリですのでインストールしたらすぐに使えるものではなく、ここから実業務に合わせて多数の設定を入れ込んでいく必要があります。また、もしdocker上で運用するとなるとシステム管理担当者の方はdocker上での運用にそれなりに慣れていないと本番運用は厳しいでしょう。
弊社でOTOBO導入を行う場合には通常業務ヒアリングを行ってある程度業務がイメージできる形の設定まで入れ込んだ後に触っていただき、想定している業務がきちんとOTOBO上で行えるかどうかという検証・調整をお客様と一緒に行う場合がほとんどです。アプリの導入が目的ではなく業務が乗らないと意味がありませんので。
そのため、正直ここからがスタート地点といった感覚ではあるのですが、とりあえずどんなものか触ってみる・操作感がどのようなものか試してみたい、という場合については非常に簡単なのではないかと思います。
2024/10/29 平見知久
HideShowForAgentTicketComopseアドオンは返信画面のダイナミックフィールドの表示・非表示をOTOBOのACL機能によって制御できるようにするアドオンです。
ACL機能ではチケットの値(キュー、ステータス、責任者など)を参照して様々な条件を指定することができますので、指定した条件に従ってダイナミックフィールドの表示・非表示を制御することができます。
例えば、ダイナミックフィールド “クローズ理由”を用意しておいて、ステータスが”クローズ”の時だけ入力できるようにする、”機器サポート”キューのチケットだけダイナミックフィールド”ファームウェアバージョン”を利用するようにする、チケットタイプが”問題管理”の場合にだけダイナミックフィールド”原因分析”を表示するようにする、などなど、様々な利用パターンが想定できます。
実際に設定した場合の動きを見てみましょう。
今回はステータスが”クローズ”の時だけ入力できるようにするケースをお見せします。
ステータスが「対応中」の場合、画面にはダイナミックフィールドが3つ表示されています。
ステータスを変更して、「クローズ(不成功)」に切り替えると、画面上では新たに「クローズ理由」の入力欄が追加されます。
再度クローズ以外のステータスに切り替えるとその結果に応じて動的に表示・非表示が切り替わります。
今回はダイナミックフィールドの表示・非表示を制御するHideShowForAgentTicketComposeアドオンについて紹介しました。条件がかなり柔軟に制御できるため、色々と利用方法を思いつく良いアドオンです。残念なのは現状メール返信のみ対応という点です。今後の対応に期待したいところです。
2024/10/22 桜井耕造
OTOBOで、タスク起動や管理用ジョブの実行がJSTの時刻で実行しないというバグがあります。現象として、UTC時刻で実行してしまいます。当社保守サポートにてJSTで動作するためのパッケージを提供しています。「いつくしま標準パッケージ」のCronJSTFixという名称で提供していますので、ご契約のお客様で必要なときは、ご連絡下さい。弊社のWebマニュアルからでもダウンロード可能です。
2024/10/15 平見知久
DownloadAllAttachmentsはOTOBOの開発元であるRother OSS, Incから提供されている公式のアドオンで、チケットの複数の添付ファイルをまとめてダウンロードする機能が追加となります。
アドオンを導入すると、チケットのその他メニューに”Download ticket attachments”という項目が追加されます。選択すると添付ファイルが全部入ったzipファイルがダウンロードできるようになります。
機能としてはシンプルなものですが、日頃添付ファイルのやり取りが多いチケットを扱っている場合ですと便利かもしれません。
2024/10/08 平見知久
担当者によって対応する顧客ユーザーが決まっている場合など、要件によっては担当者によって顧客ユーザーを見せる見せないを制御したい場合があるかもしれません。OTOBOの公式追加アドオンであるCustomerMultitenancyを利用すると、担当者の権限によって顧客ユーザーの見える範囲を制御することができるようになります。
CustomerMultitenancyでは、顧客ユーザー毎にOTOBOのグループを1つ指定することができるようになります。担当者がそのグループに所属している場合、その顧客が表示されるようになります。
例として以下のような構成を考えます。顧客4名は2名ずつ、goldとvipというグループに所属しています。一方担当者3名は agent01はgoldグループに、agent02はvipグループに、agent03はgoldとvip両方のグループに所属しているものとします。
この場合、agent01からはcust01, cust02の2名が、agent02からは cust03,cust04の2名が見えるようになります。agent03は4名が見えることになります。実際の画面で確認してみます。
agent01でチケット作成画面を開き、顧客を検索すると以下のように表示されます。
次にagent02で同様の操作をすると以下のようになります。cust03, cust04のみが表示されていますね。
最後にagent03の場合です。agent03はgold, vip両方のグループに所属しているため、4名が選択可能となっています。
顧客ユーザーの参照権限の制御についてはご要望いただくケースも過去に複数回ある人気(?)ジャンルだったりします。権限のメンテナンスをどうするか等、考慮は必要となりますが、うまく使うと楽に要件を満たすことができます。そういった要件をお持ちの場合には検討してみてもいいのではないでしょうか。
2024/10/01 桜井耕造
2024/09/24 桜井耕造
OTOBOでは、様々なフィールドをダイナミック・フィールドで追加できます。添付ファイルのフィールドを追加したいときにDynamicFieldAttachmentのアドオンをインストールします。ここでは、チケット管理で「見積書」という添付ファイルを格納できる領域を追加したときの画面になります。
2024/09/17 桜井耕造
OTOBOには、チャット機能はありません。
昔、有償のOTRS Bussiness Solutionにチャット機能があったのですが、単純に担当者とチャットをするだけの機能でした。最近のチャットは、生成AIを使って自動回答をするようなサービスがありますので、チャットサービスと組み合わせて、チャットの機能を実装するのがお勧めです。
今回は、Chat Plusというチャットサービスと連携した場合、どのような画面になるかを紹介します。チャットの機能は、Chat Plusのホームページにてご確認下さい。
https://chatplus.jp/
【使い方】
①顧客Webインターフェースにログインしたら、右側にチャットが表示されます。
②「チャットを開始する」を押下します。
③これでチャットを開始できます。
OTOBOの設定方法は、弊社のOTOBO保守サポートのサポートサイトでご紹介しています。
Chat Plusの利用料金は以下のURLをご参照下さい。基本機能のみであれば、月額1500円で利用できるのもお試しください。
https://chatplus.jp/plan/
2024/09/10 平見知久
OTOBO 11.0ではTicketMask(チケットマスク)と呼ばれる機能が追加されています。
チケットマスクは各画面に対するダイナミックフィールドの表示の制御を行う機能です。同じような機能としては”ダイナミックフィールド画面表示”機能がありますが、できることが異なっています。
- ダイナミックフィールドの表示順を各画面ごとに制御することができる
- フィールドのラベル(表示名)を画面毎に指定できる
- 1行に複数のダイナミックフィールドを並べることができる
以下各機能を見ていきましょう。
その前に設定方法について説明しておきます。チケットマスク機能はまだ管理画面がこなれておらず、各画面毎に設定内容をYAML形式で記述する必要があります。現バージョンではまだできることは少ないですが、機能名のチケットマスク等から推測するに将来的にもっと機能を追加した後に管理画面を実装するのかもしれません。なお設定は管理画面の”Ticket Masks”から行います。
表示順の制御
既存のシステム設定によるダイナミックフィールドの表示では、ダイナミックフィールドを表示する順序は全画面共通でした。チケットマスクでは画面毎に表示する順番を指定することができます。なお、これまで出来ていた画面毎に表示するダイナミックフィールドを選択することも同様に行うことが出来ます。
次の画像では異なる画面でフィールドの表示順が変わっているのが確認できるかと思います。
ラベル(表示名)の変更
2番目の機能としてラベル(表示名)の変更があります。ダイナミックフィールドの表示名はダイナミックフィールド定義時に指定しますが、チケットマスクではこれを機能毎に上書きして、個別のラベルをつけることができます。
次の画面は先程と同じ画面について別々のラベルを指定した例です。同じフィールドに対して上では”プルダウン”、下では”選択肢”と異なる表示を割り当てることができます。
1行に複数のフィールドを配置
現時点でのチケットマスクの目玉機能となります。
チケットマスクでは設定により1つの行に複数のダイナミックフィールドを配置することができます。
下の画像では、3つのダイナミックフィールドを2行に並べています。
おわりに
OTOBO 11の新機能の1つであるチケットマスクについて説明してきました。画面の見た目をより細かく制御することができる内容となっていますので、使用しているダイナミックフィールドの数が多めな場合など、より細かな制御を行いたいという場合にはOTOBO 11にバージョンアップすることを検討してみても良いかもしれません。
2024/09/03 平見知久
OTOBO 11.0ではダイナミックフィールドのプルダウンについて複数選択時の設定・挙動に追加があります。
OTOBO 10.1まででは、「ドロップダウン」形式が1件のみ選択、「複数選択」が複数選択可能な形式でした。複数選択が必要かどうかでダイナミックフィールドの形式が違っていました。
また、「複数選択」形式の場合、一行の中に選択した項目が横に並ぶ形となっていました。
これに対し、OTOBO 11.0では、「ドロップダウン」形式でも複数選択を許すかどうかを指定できるようになりました。互換性を考慮してか、これまであった「複数選択」形式も残されています。
ただし「ドロップダウン」形式での複数選択と「複数選択」形式では画面上での表示され方が変わっています。下の画像はOTOBO11.0で「ドロップダウン」の複数選択をONにした時のものです。
ドロップダウンでの複数選択時には、選んだ項目が1件1行で並ぶ形になります。右側の”+”,”-“で追加削除する形となります。なお、「複数選択」形式の場合の表示はOTOBO 10.1とOTOBO 11.0で同じとなります。
運用面で悩ましいのは複数選択する項目が欲しい際にどちらを選択すべきかになるかと思います。これまでの互換性を考えた場合「複数選択」形式が廃止になるとは考えにくいでしょう。このため、見た目の好みで選んでしまっても良いのではないかと思われます。
デザイン的には選択する項目数が多い場合には1行1項目ですとページが縦に伸びてしまって視認性が悪くなる気がしますので選択する項目数を目安に選ぶのもありかもしれません。
2024/08/27 桜井耕造
OTOBO 11.0のCMDBは、次の点が大きく機能改善されました。
①Ready2Import Class Bundlesによるテンプレート
CMDBの構成アイテムの定義が詳細になりました。
システム利用がクイックスタート出来るようになりました。
②ツリー表示による可視化
構成アイテムのリレーションを可視化できるようになりました。
特に②のツリー表示は、弊社でも独自機能を開発しようと考えた部分で、待望の機能ではないでしょうか。CMDBuildのようにツリー表示できるのは、大規模システムの運用には必要かもしれません。
2024/08/20 桜井耕造
OTRS及びOTOBO 10.1までは、FAQ記事で表の作成は出来ませんでした。
FAQ記事に表を載せたいことがあるかと思います。しかし、OTOBO 10.1までのバージョン(OTRSの全バージョン)で、FAQ記事に表を作成することは出来ませんでした。OTOBO 11.0からは、表の作成出来ますので、紹介します。
①「表の挿入」アイコンを押下します。
②行列の桁数を指定します。ここでは、「4×3」です。
③表の中の文字を入力します。
弊社のサポートサイトには、OTOBO 10.1以下のバージョンで表の作成方法を記載していますので、ご契約者は見て下さい。
2024/08/13 桜井耕造
これまでのOTOBO 10.1までのバージョンでは、データベースに格納されている文言に対して、
直接日本語に修正していました。例えば、多言語で利用している場合は、日本語に直してしまうと、
英語圏の方は日本語が分からずという状態になり、使用言語ごとに表示を変えることに
不都合がありました。このように多言語でグローバルに利用できるようにデータベースに
登録されているデータを利用環境言語に翻訳している機能が追加されました。
対象となるデータは以下です。
・タイプ
・サービス
・SLA
・ステータス
グローバル企業で複数言語でOTOBOを使用していれば、この機能は待ってましたという機能ではないでしょうか。
2024/08/06 平見知久
OTOBO11.0で追加された新しいダイナミックフィールドの型の紹介の3回目となります。1,2回目は以下をご覧ください。
・OTOBO 11.0の新機能 – ダイナミックフィールドのLens型
・OTOBO11.0の新機能 – ダイナミックフィールドのスクリプト型
ダイナミックフィールド・セット型はいくつかのダイナミックフィールドを束ねて1つのダイナミックフィールドとして扱う機能です。例えば「OSタイプ」と「OSバージョン」等、基本的にセットで管理する項目をわかりやすく管理するために有効です。他の2つの型に比べてイメージしやすいですし、ユースケースも思いつきやすい機能なのではないでしょうか。
セット型を作成するためにはあらかじめ構成要素となるダイナミックフィールドを追加しておきます。
例として以下の2つのダイナミックフィールドをまとめてみることにします。
・OSタイプ “ostype” – ドロップダウン型
・OSバージョン “osverion” – 本文(文字列)型
作成が終わったらこれをまとめるセット型を作成します。
・OS情報 “osinfo” – ダイナミックフィールドセット型
ダイナミックフィールドセット型では、まとめるダイナミックフィールドを指定する必要があります。この指定はダイナミックフィールドの登録(編集)時に行いますが、現バージョンではYAML形式で記述します。(将来的にはもっときちんとしたUIになるのかもしれません)
YAMLとして以下のように記述します。
---
- DF: ostype
- DF: osverion
1行目はハイフン(‘-‘)3つです。また、YAMLでは行の頭の空白は意味を持ちますので余計な空白を入れないようにしてください。
後はダイナミックフィールドを表示するように画面設定を変更して画面を開くと以下のように表示されます。
文字数が多いのでちょっとわかりにくいですが、OS情報の下位としてOSタイプ、OSバージョンが表示されているのがわかります。
また、AgentTicketFreeTextなど、チケット情報の編集画面に追加すると枠で囲まれてよりわかりやすいですね。
使用上の注意点としては、編集画面に追加する場合にはまとめられた側のダイナミックフィールド(例ですとOSタイプ、OSバージョン)単体は表示しないように設定してください。送信時に両方で更新がかかって意図しない動きとなる場合があります。
今回はダイナミックフィールド型について紹介しました。YAMLでの設定が必要になりますが他の2つに比べて利用ハードルが低く、またユースケースも想定しやすいのではないでしょうか。機会があれば試してみていただきたいと思います。
2024/07/30 平見知久
OTOBO 11.0ではダイナミックフィールドで新しいタイプ(型)が利用可能となっています。本記事は 「OTOBO 11.0の新機能 ー ダイナミックフィールドのスクリプト型」 の続きとなります。
新しいタイプ(型)の2つめとして、Lens型を紹介します。
Lens型ではあるダイナミックフィールドを指定して、そのダイナミックフィールドの型がさらにダイナミックフィールドを持つ場合に、その値を表示させることができます。
少しわかりにくいので実際の設定例で説明します。
まず、チケットに2つダイナミックフィールドを用意します。
・ 関連チケット (relTicket) – チケット型
・OSバージョン(osversion) – 本文(文字列)型
加えて、Lens型のダイナミックフィールドを作成します。
・関連チケットOSバージョン(relOSversion) – Lens型
・The referenced dynamic field : relTicket
・The attribute of the referenced object : osversion
作成できたら、チケットを起票します。
1件目のチケットはタイトル「関連チケット」とし、OSバージョンに「Windows 12 24H2」を設定します。
2件目のチケットはタイトル「Lens型確認用チケット」とし、関連チケットとして先ほどの「関連チケット」を設定します。
この状態で「Lens型確認用チケット」を確認すると、”関連チケットOSバージョン”として、関連チケットのOSバージョンである、「Windows 12 24H2」が表示されます。
通常ですと「関連チケット」を開いて確認しなければならない「OSバージョン」の値が「Lens型確認用チケット」のダイナミックフィールドであるかのように参照出来ていることがわかります。
図にすると以下のような形です。
このように、参照先をたどってその参照相手が持っている値を表示するのがLens型の機能になります。
一見とっつきにくいですが、うまく用途にハマると余計な1クリックを省略でき、チケットの管理がしやすくなる機能ではないかと思います。今回はチケット-チケットの例でご紹介しましたが、ある意味構成管理機能との連携を想定して追加された機能とも言えますので、構成管理機能が正式リリースしたらまた取り上げたいと思います。
2024/07/23 平見知久
OTOBO 11.0ではダイナミックフィールドで新しいタイプ(型)が利用可能となっています。本記事ではそのうちスクリプト型について紹介します。
通常のダイナミックフィールドは文字型、日付形等、ユーザが入力する項目ですが、スクリプト型は参照のみでユーザーが入力することは出来ない項目です。他のダイナミックフィールドの値などを基に処理を行い、あらかじめ指定しておいたスクリプトの結果を表示します。
スクリプトと言っていますが、実際にはOTOBOで使用しているperlのTemplate Toolkitというモジュールで利用可能なHTMLのテンプレートを指定します。Template Toolkitでは条件式やperlのソースを埋め込むことができるため、指定した条件に基づいて表示される内容を変えることができるようになります。
例えばticket06というダイナミックフィールドが存在するとき、script01というスクリプト型のダイナミックフィールドを以下のように作成します。
この状態でticket06の値を変更すると、画面上ではticket06の値を参照したり値をもとに条件を指定して生成された内容が表示されます。
エンドユーザーが自由に使うにはややハードルは高めなものの、うまく利用するとこれまでですとカスタマイズが必要になっていたようなことをカスタマイズなしで実現することができるようになります。
2024/07/16 平見知久
2024年7月現在、セキュリティ強化の観点からMicrosoft365、Google Workspace共に認証方式がOAuth2のみとなっており従来のパスワード認証は使用できなくなっています。OTOBOの素の状態ではOAuth2でのメールアカウントへのアクセスは対応していないため、公式からMailAccount-OAuth2というOAuth2対応のパッケージが公開されています。
弊社ではMailAccount-OAuth2が公開される前に自前でOAuth2対応のパッケージを作成・提供しているのですが、OTOBO 11が公開されたこともあり、改めてMailAccount-OAuth2の内容をのぞいてみました。
結論から言うと、プログラムを書ける方以外が本パッケージ(RotherOSS)を使うのは難しいと思われます。
理由ですが、管理画面は実装されていますが肝心の認証処理のUIが実装されていません。
画面で規定のパスワードを設定すれば終わりの通常認証と異なり、OAuth2ではプロバイダ(MS365, Google Workspace)側で承認を出してもらう必要があります。このためこの処理を担うプログラムが必要となるのですが、その部分が提供されていない状態です。承認の処理を行う内部的なAPI自体は実装されていますのでOAuth2の知識があり、簡単なプログラムを書ける方ならMailAccount-OAuth2を土台に上記の処理を自力で書けば利用できると思いますが、流石にかなりハードルが高い気がします。
弊社で作成したOAuth2対応パッケージでは(当然)承認処理も実装しており、管理画面から行えるようにしてあります。弊社サポート対象のお客様にはOTOBOの最新版で提供可能です。
お手軽にOTOBOでOAuth2対応したいというお客様はお声がけいただければと思います。
2024/07/09 桜井耕造
■OTOBO 11.0.3のインストール手順
2024年5月28日に最新のOTOBO 11.0がリリースされました。OTOBOはチケット管理ができるソフトウェアで、セールスフォースやServiceNowなどのサービスと比較されることがありますが、OTOBOはオンプレミス環境に導入し、個社ごとにカスタマイズしやすいオープンソース・ソフトウェアです。まずは、一度、どのように利用できるのかを以下の手順でインストールしてみて下さい。
インストール環境は、以下となります。
Ubuntu 24.04 LTS
mariadb-server-11.4.2
otobo-11.0.3
apache 2.4.58
(1)MariaDB 11.4のインストール
//MariaDB 11.4.2のリポジトリをダウンロードします。 # curl -LsS https://downloads.mariadb.com/MariaDB/mariadb_repo_setup | sudo bash //リポジトリを確認して、MariaDB 11.4.2がインストールされることが分かります。 # cat /etc/apt/sources.list.d/mariadb.list --------- # MariaDB Server # To use a different major version of the server, or to pin to a specific minor version, change URI below. deb [arch=amd64,arm64] https://dlm.mariadb.com/repo/mariadb-server/11.4/repo/ubuntu noble main deb [arch=amd64,arm64] https://dlm.mariadb.com/repo/mariadb-server/11.4/repo/ubuntu noble main/debug # MariaDB MaxScale # To use the latest stable release of MaxScale, use "latest" as the version # To use the latest beta (or stable if no current beta) release of MaxScale, use "beta" as the version deb [arch=amd64,arm64] https://dlm.mariadb.com/repo/maxscale/latest/apt noble main # MariaDB Tools deb [arch=amd64] http://downloads.mariadb.com/Tools/ubuntu noble main --------- //MariaDB 11.4.2をインストールします。 # apt install mariadb-server //MariaDBインストールパッケージ確認 # apt list --installed | grep mariadb libmariadb3/unknown,now 1:11.4.2+maria~ubu2404 amd64 [installed,automatic] mariadb-client-compat/unknown,unknown,now 1:11.4.2+maria~ubu2404 all [installed,automatic] mariadb-client-core/unknown,now 1:11.4.2+maria~ubu2404 amd64 [installed,automatic] mariadb-client/unknown,now 1:11.4.2+maria~ubu2404 amd64 [installed,automatic] mariadb-common/unknown,unknown,now 1:11.4.2+maria~ubu2404 all [installed,automatic] mariadb-server-compat/unknown,unknown,now 1:11.4.2+maria~ubu2404 all [installed,automatic] mariadb-server-core/unknown,now 1:11.4.2+maria~ubu2404 amd64 [installed,automatic] mariadb-server/unknown,now 1:11.4.2+maria~ubu2404 amd64 [installed] # systemctl restart mariadb # mysql_secure_installation Switch to unix_socket authentication [Y/n] Y Change the root password? [Y/n] Y # rootのパスワードの設定 New password: Re-enter new password: Remove anonymous users? [Y/n] Y # 匿名ユーザを削除 Disallow root login remotely? [Y/n] Y # root ユーザでのリモートからのログインを禁止 Remove test database and access to it? [Y/n] Y # test データベースを削除 Reload privilege tables now? [Y/n] Y # 権限テーブルをリロード Thanks for using MariaDB!
(2)OTOBO 11.0.3のインストール
# apt-get install -y libarchive-zip-perl libtimedate-perl libdatetime-perl libconvert-binhex-perl libcgi-psgi-perl libdbi-perl libdbix-connector-perl libfile-chmod-perl liblist-allutils-perl libmoo-perl libnamespace-autoclean-perl libnet-dns-perl libnet-smtp-ssl-perl libpath-class-perl libsub-exporter-perl libtemplate-perl libtext-trim-perl libtry-tiny-perl libxml-libxml-perl libyaml-libyaml-perl libdbd-mysql-perl libapache2-mod-perl2 libmail-imapclient-perl libauthen-sasl-perl libauthen-ntlm-perl libjson-xs-perl libtext-csv-xs-perl libpath-class-perl libplack-perl libplack-middleware-header-perl libplack-middleware-reverseproxy-perl libencode-hanextra-perl libio-socket-ssl-perl libnet-ldap-perl libcrypt-eksblowfish-perl libxml-libxslt-perl libxml-parser-perl libconst-fast-perl # apt-get install -y libcapture-tiny-perl # apt-get install -y libcss-minifier-xs-perl # apt-get install -y libjavascript-minifier-xs-perl # apt-get install -y libtext-csv-perl # cd /opt # wget https://ftp.otobo.org/pub/otobo/otobo-latest-11.0.tar.gz # tar zxvf otobo-latest-11.0.tar.gz # cp -r otobo-11.0.3 /opt/otobo
(3)Apacheモジュールのインストール
# apt-get install -y apache2 # a2enmod headers # a2enmod cgid # a2dismod mpm_event # a2enmod mpm_prefork # a2enmod perl
(4)OTOBOの設定
//Config.pmの設定をします。 # cp /opt/otobo/Kernel/Config.pm.dist /opt/otobo/Kernel/Config.pm # useradd -r -U -d /opt/otobo -c 'OTOBO user' otobo -s /bin/bash # usermod -G www-data otobo # cp /opt/otobo/scripts/apache2-httpd-vhost-80.include.conf /etc/apache2/sites-available/zzz_otobo-80.conf # cp /opt/otobo/scripts/apache2-httpd-vhost-443.include.conf /etc/apache2/sites-available/zzz_otobo-443.conf # a2ensite zzz_otobo-80.conf # a2ensite zzz_otobo-443.conf # cp /opt/otobo/scripts/apache2-httpd.include.conf /etc/apache2/sites-available/zzz_otobo.conf # a2ensite zzz_otobo.conf # mkdir /opt/otobo/var/tmp # /opt/otobo/bin/otobo.SetPermissions.pl # systemctl restart apache2
(5)OTOBOのセットアップ
①以下のURLからOTOBOのセットアップをします。「次へ」を押下します。
http://XXX.XXX.XXX.XXX/otobo/installer.pl
②「ライセンスに同意して進む」を押下します。
③「次へ」を押下します。
④MariaDBのrootのパスワードを入力して、「データベース設定をチェック」を押下します。
⑤以下の画面に変わりますので、そのまま「次へ」を押下します。
⑥続いて、「次へ」を押下します。
⑦この設定は後で設定変更できるので、「次へ」を押下します。
⑧「この手順を飛ばす」を押下します。
⑨これでセットアップ完了です。表示されたパスワードでログインすると、利用可能です。
http://XXX.XXX.XXX.XXX/otobo/index.pl
ID : root@localhost
PW: 画面に表示されたパスワード
以上、Elasticsearchをインストールして設定をすると、検索性能が上がりますので、導入することを推奨しています。ここの手順は省略します。
2024/07/02 桜井耕造
2024年5月28日にOTOBO 11.0.2(正式版)がリリースされました。これまでは、ElasticSearchの採用で検索性能を向上させる、顧客Webインターフェースの一新などの機能拡張はありましたが、基本的に全身のオープンソースであるOTRSを継承して、同様に利用できるようにした印象がありました。しかし、今回のOTOBO 11.0は、サービス管理の柔軟性を大幅改善したり、利用しやすいように随分ユーザー視点で改良したと思います。これまでのCMDBの機能は、構成情報のデータがリレーショナル・データベースとして格納されていなかったり、機能拡張や性能など問題がたくさんありました。これを一新し、CMDB 11.0を追加リリースし、資産管理プロセスとサービス管理プロセスとの緊密な結合を可能となって、進化したOTOBOを体験できる製品に仕上がったといえます。(注意:CMDBについては、2024年7月2日時点でベータ版であるため、本番環境でのご利用は暫くお待ち頂くことを推奨します。)
ここでは、ざっくり改修された機能を箇条書きで紹介し、次回以降で詳細を紹介していこうと思います。
OTOBOの製品ホームページ(英文): https://otobo.io/en/
OTOBOのマニュアル: こちら
OTOBOとは: チケット管理、ITSMによる運用管理ができるオープンソース・ソフトウェアです。
■ダイナミック・フィールドの新機能
①スクリプト フィールドを介して、OTOBO 11.0では論理演算子を使用して条件を評価したり、
計算を実行できます。例えば、注文が予算ガイドラインに準拠していることを確認したり、
製品の保証ステータスを決定したりできます。結果はチケットに表示したり、
フォローアップ プロセスをトリガーしたり、フィールドの表示に影響を与えたりすることができます。
②DynamicFieldSet は複雑な数式の構成を高速化します。複数のダイナミック・フィールドを
1つのセットに組み合わせて、同じコンステレーション内のさまざまな場所に固定要素として挿入できます。
(例えば、姓、名、住所の組み合わせ)
③MultiValueは、数量と価格を含む複数のアイテムをキャプチャするなど、実行時に + | – を使用して
フィールドまたはセットを動的に追加または削除する機能を強化されました。
④参照により、担当者、顧客ユーザー、チケット、CI、CIバージョンなどのOTOBOオブジェクトに
ダイナミック・フィールドを介して直接アクセスできるようになり、顧客管理とCMDBの間、及び
その逆のシームレスなナビゲーションが可能になりました。
⑤レンズ フィールドと組み合わせて、参照されたCI内の属性にアクセスすることもできます。例えば、
調達プロセスからCMDBのチケットにリンクされたコンピューターのハードドライブを直接更新できます。
⑥新しいダイナミック・フィールド「一般カタログ」を使用すると、さまざまな形式でのリストの一元管理と
並列展開が可能になります。リッチ テキスト フィールドでは説明テキストの書式設定が可能で、
「添付ファイル」ダイナミック・フィールドでは添付ファイルを追加できます。
⑦チケットマスクを構成するためのフィルター関数、名前空間、および YAMLエディターにより、
管理が簡素化され、柔軟性が向上します。
■チケットマスクの新機能
①OTOBO 11.0のダイナミック・フィールドは、様々な順序と個別のラベルのみを表示できるように
なり、マスク機能が拡張されました。
②複数列機能の追加: ダイナミック・フィールドは、任意の数の列を持つグリッドに配置できます。
③複数値: ダイナミック・フィールドとセットは、実行時に + | – を使用して動的に追加または
削除できます。
④読み取り専用: 選択したマスクのフィールドを定義済みの値で表示します。例えば、以前の
プロセス ステップの情報を参照として提供し、それ以上の変更は許可しません。
⑤機能追加されたチケットマスクは、プロセス・チケットでも使用できます。
■データベース内の言語翻訳
OTOBO 10.1までは、データベースに格納されている文言に対して、日本語で表示したい場合、直接日本語に修正していました。例えば、多言語で利用している場合は、日本語に直してしまうと、英語圏の方が日本語が分からずという状態になり、不都合がありました。このように多言語でグローバルに利用できるようにデータベースに登録されているデータを利用環境言語に翻訳している機能が追加されました。
①管理インターフェイスを通じて直接修正できます。
②検索により、システム内の未翻訳の要素を具体的に検索できます。
③インポート/エクスポート: 用語はインターフェイスで直接翻訳するか、
Excel リストにエクスポートして翻訳してから再度インポートすることができます。
■機能強化
①内部向け記事の編集
チケットを整理し、改訂も安全に: OTOBO 11.0では、社内記事を遡及的に編集および削除できます。
つまり、チケットは透明性を保ち、常に最新の状態になります。
個々の編集手順は、チケットのバージョンに保存されます。
②CKEditor 5
OTOBO 11.0からCKEditor 5を採用されました。
③クイック タイム ボタン
実用的: 個別に設定可能なクイック タイム ボタンを使用して、チケットの
待ち時間を事前設定された期間 (例: 1 週間) で延長または短縮します。
④顧客情報タイル
多用途: 顧客情報タイル – 管理インターフェイスを介してカスタマイズおよび
入力できる、顧客エリア用のリッチ テキスト タイルです。さまざまなエリアからの
並行メモを維持および表示できるほか、特に緊急のメッセージについては、
顧客エリア全体に表示されるニュース ティッカーを追加できます。
⑤プロセスでの承認ボタンとダイナミック・フィールド表示
直感的なワークフロー: プロセスでの承認/拒否ボタンと、ポップアップを経由せずに
プロセス ステップを直接確認します。さらに: 実行時にフィールドを動的に表示または
非表示にする非表示/表示機能が、プロセスでも利用できるようになりました。
⑥チケットを「既読 | 未読」としてマーク
概要の維持: チケットとチケット内の記事を手動で既読/未読としてマークします。
⑦時間追跡の一時停止
効率の向上: 特定のアクションでは、必須の時間追跡を一時停止できます。つまり、
時間単位を追跡するために空のメモを作成する必要がなくなります。
⑧「次のステータス」設定
常に一歩先へ: テンプレートで次のチケット ステータスを直接定義できるようになりました。
⑨セルフサービス ポータルでのチケット情報の表示
サービス ポータル: SysConfig を介してチケット情報を常に表示できます。
顧客エリアで CMDB 情報を表示するための準備 (CMDB 11.0以降)。
⑩無効な要素の非表示
管理者インターフェイスでの概要: 無効な要素はデフォルトで非表示になりました。
チェックボックスを使用して設定を個別に調整できます。
⑪制限付き管理権限の委任
LightAdmin 機能: 管理領域の特定の要素を他のユーザー グループが選択的にアクセスできるようにします。例えば、各自の挨拶文、署名、テンプレートを部門別に管理できるようにします。
⑪Webサービス用のKerberos
Web 用の Kerberos 認証 (Web 2019) が利用可能になりました。
⑫構成管理データベース (CMDB) の改良
CMDBを改良されました。
⑬レポート作成
統計を記事レベルで定義できるようになりました。
⑭FAQ記事の表作成
これまでのOTOBO 10.1まではFAQ記事に表の作成するためには、HTMLで書く必要がありましたが、表の作成を簡単にできるようになりました。