2016/06/20 平見知久
OTRSのメール送受信機能を試す
DockerHubに公開しているDockerイメージを更新しました。今回の目玉はメール送受信機能がすぐに試せるようになっている点です。
OTRSはメールと連携させてこそその本領を発揮するアプリです。通常ですとメールアカウントを用意したりOTRS側の設定をしたりと一手間かかるのですが、事前設定済みのDockerイメージを使ってサクッと試してみてください。
まず最初にDockerイメージを取得もしくは更新してください。取得方法については以前ラボノートに書いた内容と変わっていません。そちらを参照してください。
まずはお客様からの問い合わせがあった(つもり)として、OTRSにメールを投げて見ましょう。
このイメージではウェブメーラーを同梱していますので、お使いのPCでの設定は不要です。
http://<DockerホストのIPアドレス>:8080/webmail
にアクセスしてログインしてください。IDはcust01、パスワードもcust01でログインできるようになっています。
ログインしたら、”Compose”を押してメールを作成してください。メールの宛先は、helpdesk@eval-mail.local.domain としてください。
このアドレスがOTRSに紐づけられている問い合わせ受付用のメールアドレスとなっています。
“Send”を押すとメールが送られます。
さて、いよいよOTRSの出番です。サポート担当者となった(つもり)で、OTRSにログインしてみてください。
http://<DockerホストのIPアドレス>:8080/otrs/index.pl
本当はちゃんとアカウントを作るのが正しい使い方なのですが、とりあえず今回は root@localhost でログインしてみましょう。初期のパスワードは otrs-ioa です。
どうですか? お客様からの問い合わせメールが届いているのではないかと思います。届いていないようでしたらしばらくお待ちください。OTRSでは定期的にメールをチェックして取り込むようになっています。5〜10分ほどかかる場合があります。
問い合わせメールはチケットとしてOTRS上に起票されています。届いたメールはOTRSが自動的に判断し、新規であれば番号が採番され、それ以降はチケット番号で管理することができます。
さて、問い合わせが来ているのですから返事をしないといけませんね。チケットを開いて、画面中央の”返信”を選択してください。プルダウンで”empty response”という項目があると思いますのでそれを選択すると、返答用のフォームが開きます。ブラウザによってはポップアップがブロックされる場合がありますので許可してください。
何か適当な文面を作って”メール送信”を押してみてください。
チケットに送信履歴が記録されます。
複数のメンバーでサポートをしている場合でも、いったい誰が、いつ、どんな内容をやり取りしたのかを一覧することができます。また、本記事では触れませんが、お客様への返信前にサポートメンバー内部で対応を協議したり、後ろに控えている二次受付メンバーにチケットの処理を任せたりといったことも可能です。
ここで一旦顧客に戻って、ウェブメーラーを開いてみてください。先ほどOTRSで送信した内容がメールとして届いていると思います。差出人はヘルプデスクのアドレスとなっていますので、途中まで対応していたメンバーがお休みといったような場合でも別の誰かが対応したりといったことが容易になっています。
このメールにさらに返信すると、OTRSはチケット番号を自動識別して、同一チケットに紐づけてくれます。実際に返信してみたり、別の新規メールを送ってみたりしてみてください。
また、Webメーラでアカウント cust02 パスワード cust02 で別のお客様となることもできます。
どんな見え方をするかを試してみるのも良いかと思います。
OTRSを使った問い合わせ対応はこのような感じで行われます。実際の業務では複数のメールアドレスを使ってもう少し細かく振り分けたり、フィールドを追加してもっと細かく情報管理したりと色々と設定を行っていく場合がほとんどですが、とりあえずメールのやり取りのイメージは持っていただけるのではないかと思います。