2015/12/21 桜井耕造
<OTRSの高可用性について>
暫く忙しく掲載できておりませんでした。これからもOTRSを中心に機能紹介したいと思います。
OTRSの高可用性を実現させる構成として、DRBD+Heartbeatで実現するHA構成があります。実はOTRSには、2台のOTRSをアクティブ、アクティブに処理を負荷分散する機能があります。OTRSを様々な業務に利用していくうちに、検索のレスポンスが遅くなったり、システムの負荷が気になってくることがあるかと思います。そのような状態になったとき、OTRSには検索系の処理をもう一方のサーバで処理をさせてパフォーマンス改善をすることが出来ます。検索のレスポンスが気になったときやバックアップをスレーブで実施させたいなどの高可用性を実現したいユーザーににお勧めの機能です。
<マスター・スレーブ構成図>
この構成は、ユーザーはマスターサーバにアクセスして、OTRS内部で処理内容により処理を振り分ける動きをします。DB更新のある処理をマスターサーバで、参照や検索をスレーブサーバで処理をさせて、処理をするサーバを負荷分散させるのです。OTRSの設定は比較的簡単に出来るのですが、スレーブサーバがダウンしたとき、検索が全く出来なくなるとか、マスターサーバがダウンしたとき、OTRSが全部利用できなくなるとかの不都合があるので、このMirrorDBの機能を利用するときは、ちょっとした作り込みをすることで、高可用性を実現させる必要が出てきます。
2015/08/03 桜井耕造
<OTRS4ダッシュボードのイベント・カレンダーとは>
最近、忙しいことよりOTRSの機能紹介が出来ていませんでしたが、可能な限り今後も機能紹介したいと思います。OTRS4をインストールすると、ダッシュボードにイベント・チケット・カレンダーという機能が表示されます。(標準機能で利用可能です。)利用するためには、色々と設定しないと利用できないのですが、この機能がどのように利用出来るかを紹介します。
このカレンダーは、タスク・チケットなどの作業開始、作業終了などをカレンダーにイベント(タスク・チケット)として登録すること、視覚的にイベントがいつあるのかを把握することが出来るようになります。
(1)タスク・チケットの予定開始日時、予定終了日時を入力します。
(2)ダッシュボードよりイベント・チケット・カレンダーを表示します。
(3)イベントにカーソルを合わせると、タスク・チケットの詳細が表示されます。
機能としては、他何かあるわけではありませんが、タスク・チケットをご利用の方には、便利な機能かと思われます。
2015/06/01 桜井耕造
<OTRSの顧客ユーザーの住所をGoogleマップに連携>
OTRSの顧客ユーザーに住所を登録しておくと、チケットの詳細表示を画面から、チケットの顧客の所在地をGoogle MAPで表示させることが出来ます。因みに、登録済みのキーワードでGoogle検索するのが、一番下にある「google」アイコンです。
?GoogleMAPをクリックする。
?別ウィンドウにGoogeマップが表示される。
2015/05/18 桜井耕造
<エスカレーション一時停止(Escalation Suspend)>
この”OTRS Bussiness Solutin”を使用する事で、保留タイプのステータスに変更したときにエスカレーション更新期限を一旦停止することが出来ます。
エスカレーション更新期限を一時停止させて、再び対応中になったときに指定されたエスカレーション初回応答期限とエスカレーション更新期限の値を再定義します。例えば180分で設定されていれば、180分で再定義されます。残念ながら解決期限の再定義することが出来ません。
<OTRS AGで提供している動画>
2015/05/11 桜井耕造
<OTRS4の性能について>
OTRS4の売りの1つで、性能が良くなっている点があります。体感では早くなったと感じます。しかし、OTRS4がどのくらい性能が良くなったのかを実際に計測したりしたことがなかったので、Apache Benchで計測していました。
環境などの条件は次の通りです。
・比較対象のバージョンはOTRS3.3.8とOTRS4.0.5
・ネットワーク負荷を考慮しないようにそれぞれのバージョンのサーバのローカルホスト宛に計測
・OTRSのトップページで計測
・「Requests per second」の値で比較
※Requests per second ・・・1秒間に処理したリクエスト数の平均値(ミリ秒)です。
OTRS3.3.8 | OTRS4.0.5 | |
1回目 | 19.53 | 14.31 |
2回目 | 19.39 | 14.29 |
3回目 | 19.27 | 14.64 |
4回目 | 19.06 | 14.92 |
5回目 | 19.89 | 14.81 |
6回目 | 17.84 | 14.53 |
7回目 | 18.80 | 14.72 |
8回目 | 19.16 | 15.00 |
9回目 | 19.24 | 14.89 |
10回目 | 19.32 | 14.63 |
平均値 | 19.15 | 14.67 |
結果として約23%処理が早くなっていました。この値は参考値としてみて下さい。
2015/03/23 桜井耕造
<OTRSでビジネス・プロセスを実装>
OTRSでは、運用管理に必要なインシデント管理や問題管理などのチケットを管理するだけではなく、ビジネス・プロセスを定義して、ワークフロー機能を利用したチケット管理の機能があります。内部管理用などの承認ワークフローや、構成管理や変更管理の業務フローとして利用することが出来ます。ここでは、情報システムの管理業務の1つでもあるPC管理業務をOTRSで利用したときの例をご紹介します。
(1)どんなビジネス・プロセスを作成できるのか?
OTRSの利用方法は、一般的に顧客と担当者がチケットの進捗や過去の情報を共有していく事が多いです。しかし、OTRSのビジネス・プロセスの機能を利用すると、社内で決められた業務プロセスを定義して、そのフローに基づいてチケットを管理することが出来ます。以下の業務フローは、情報システム部でPCを管理するための業務フローをOTRSで実装したときのものです。
[画像1: OTRSで作成したビジネス・プロセス]
<OTRSのビジネス・プロセスの特徴>
・複数の業務プロセスを作成できる
・1つのビジネス・プロセスでステープごとに管理画面を作成できる
・ビジネス・プロセスごとにステータス遷移を定義できる
(2)PC調達管理業務をOTRSで実装例
ステップ1:PC調達申請
ユーザーがPC調達の申請をする画面です。申請すると、部門長に承認依頼のメールが発報されます。
各ステップごとの入力画面は、以下の画像2のように自由にカスタマイズできます。
[画像2: PC調達申請]
ステップ2:部門長承認
申請されたチケットは、部門長のみが承認することができる権限を持ちます。この画面では、部門長が申請を承認したり、差戻をしたりします。承認することで、チケットのオーナーを情報システム部に変更します。以下の画像3のように下部には操作履歴(承認、差戻など)を表示させることもできます。
[画像3: 部門長の承認]
?ステップ3:情報システム作業
部門長の承認を得たチケットは、情報システム部に通知されます。PCを注文、そのPCのセットアップ、ユーザー通知をして、PCをユーザー完了します。
[画像4: 情報システム部の作業]
ここで紹介したプロセスは一例であり、他の業務プロセスも作成することも出来ます。運用業務には、承認などのワークフローを内部的に管理したいことチケットもあるかと思います。そのような業務もOTRSで管理すると、業務フロー用のソフトウェアライセンスを購入せずに済み、さらにコスト削減に繋がるのではないでしょうか。
2015/03/09 桜井耕造
<構成アイテムのカスタム検索>
OTRS AGが有償で提供している”CI Custom Search”というOTRSビジネスソリューション™機能について、動作確認をしてみました。本機能を利用すると、CMDBに登録されている全てのクラス(構成アイテム)を対象に検索させることが可能になります。有償版を利用しない場合の利用方法は、CMDBに登録されているクラス単位のみしか検索することができません。
ユースケース(利点):
・特定の顧客ユーザーの構成アイテムを一括検索
・特定の担当者が管理している構成アイテムを一括検索
・障害中の構成アイテムを一括検索
など
[画像1: CI検索結果]
<OTRS AGで提供している動画>
詳しくは、以下の動画(英語)を見て頂くか、弊社にお問い合わせ下さい。
2015/02/16 桜井耕造
<顧客WebインターフェースでCI選択>
OTRS AGが有償で提供している”CIs in Customer Frontend”というOTRSビジネスソリューション™機能について、動作確認をしてみました。本機能を利用することで、顧客Webインターフェースより、その顧客の構成アイテム(CI)に関する以下のデータを閲覧することが出来ます。オープンソース版のみでは、顧客Webインターフェースより構成アイテムを閲覧することは出来ません。)
・CIのID
・CIの名前
・CIのクラス
・CIの展開状況
・CIのステータス
・最終更新された日時
顧客よりWebで問い合わせする時に顧客(企業)に紐付いた構成アイテムを選択してチケットを起票することで、担当者がどの構成アイテムとリンクされているのかを特に操作することなく、把握することが出来ます。
[画像1: “CIs in Customer Frontend”の顧客WebインターフェースからCIを選択]
このOTRSビジネスソリューション™には、もう一つ機能があります。メールの本文に構成アイテム番号の文字列がある場合、該当のCIを自動的にリンクします。Zabbixなどの監視ソフトウェアからメールで連携している場合などは、この機能を利用することで、自動的に構成アイテムとリンクさせる使い方ができます。
[画像2: “CIs in Customer Frontend”の自動リンク]
上記に似た機能を弊社でも開発しており、外部の監視システムの障害アラートをSOAPやRESTで連携した時に取得したホスト名と、そのホスト名と合致したCMDBの構成アイテム(ノード、アプリなどのCI)を自動的にリンクする「CI自動リンク」の有償アドオンを提供しております。(画像3を参照)
※「CI自動リンク」は、OTRSに一切手を加えることなく実現しています。
[画像3: CI自動リンク]
<OTRS AGで提供している動画>
詳しくは、以下の動画(英語)を見て頂くか、弊社にお問い合わせ下さい。
2015/02/02 桜井耕造
<OTRSのファイルを適切に権限設定>
システム変更をしたとき、適切な権限の設定をが付与されていないと、「Can’t write ConfigItem!」のようなエラーでシステム設定の変更ができないときがあります。
そのような時、以下のコマンドにてOTRSが正常に動作できるように権限を設定します。
# cd /opt/otrs/bin # ./otrs.SetPermissions.pl /opt/otrs --otrs-user=otrs --web-user=ap ache --otrs-group=apache --web-group=apache
2015/01/26 桜井耕造
<Zabbix障害アラートをOTRSに自動登録>
ZabbixからOTRSへ自動連携で、簡単に実装したいのであればメールで連携するのが良いです。しかし、メール連携では、OTRSで取得したデータをExcelでチケット一覧に出力したり、障害のあったホスト名で検索したりすることは出来ません。また、リアルタイムにOTRSに起票できないなどの課題もあります。Zabbixとの連携に関する説明を2015年1月19日にOSS運用管理勉強会の『OTRSによるシステム運用管理の導入事例』セミナーにて使用した資料の一部を公開します。
これまで、メール連携、SOAP連携、REST連携を実装した経験から、OTRS4でREST連携した方式がパフォーマンスも良いので、お勧めの方式となります。その時のZabbixの設定例を紹介します。
<Zabbixの設定例>
1)「設定」の「アクション」をクリックし、「アクションの作成」を押下する。
2)「アクションの実行条件」タブをクリックし、APIを実行する条件を設定する。
3)「アクションの実行内容」タブをクリックし、「新規」をクリックしてAPIの実行内容を設定する。
実行内容のタイプ: リモートコマンド
ターゲットリスト: 実行するサーバを指定
次で実行: Zabbixサーバー
コマンド: “/usr/lib/zabbix/alertscripts/プログラム名 “マクロ名” ” マクロ名”
?設定が完了したら「保存」を押下する。
2015/01/12 桜井耕造
<システム変更後について>
OTRSの設定変更をすると設定が反映されないことが多々ある。OTRSではメモリキャッシュなど様々なところでキャッシュを利用していて、パフォーマンスを向上させることを目的としている。そのため、設定変更した際は、キャッシュの削除することを推奨しており、コマンドも用意されているので、紹介する。
(1)CSSのキャッシュを削除する
# cd /opt/otrs/bin # ./otrs.DeleteCache.pl & ./otrs.LoaderCache.pl -o delete
2015/01/05 桜井耕造
<チケットの添付ファイルを削除>
OTRSでは、メールなどに容量の大きい添付ファイルがあったり、ファイルが多くなると、データ容量が肥大化していきます。不要なチケットを削除したり、添付ファイルを削除したりすることは、コマンドベースで実施することが可能です。また、決まったルールで自動的に削除したいときは、”Deleting Attachments”という有償アドオンを利用することで運用負荷を軽減することができます。
<”Deleting Attachments”の機能>
・定義された期間内で完了したチケットの添付ファイルを自動的に削除
・指定したファイル形式(例えば、PDFファイル、Wordファイル、Excelファイル、など)のみ削除
・対象キューの指定
詳細な説明はこちらへ(ドイツ語)
2014/12/22 桜井耕造
2014年11月25日に最新バージョンOTRS 4.0がリリースされました。今回は新バージョンの機能について、紹介したいと思います。追加された機能は、こちらの資料をご参照下さい。(過去のセミナーで紹介した資料になります。)
<追加された機能の1つ>
このバージョンから添付ファイル名を検索することが出来るようになりました。(下の画像)
※OTRS3.3までは、”OTRS Generic Interface Rest“という有償アドオンを利用することで、REST連携ができます。
<OTRS4の新機能詳細(英語)>
開発元OTRS AGによるもう少し詳細な解説になります。
https://www.otrs.com/new-in-otrs-4-service-desk-software/
<まとめ>
OTRS4では、様々な機能改善しておりますが、目新しい機能追加はされていません。恐らくスモールスタートでOTRSを導入したユーザーが本格的にユーザー数を増やして利用していきたいというニーズに応えるため、実装アーキテクチャーを変更しパフォーマンス改善されたバージョンと言えるでしょう。また、外部システム連携においても、初期段階でZabbixやHinemosなどの監視ソフトウェアとメール連携、及びSOAP連携していましたが、REST連携に変更することで、より一層パフォーマンスを向上させたシステム間連携を実装することが可能になっています。
2014/12/08 桜井耕造
今回は、OTRSのインシデント管理、問題管理などの管理プロセスにおいて、管理が可能な項目について解説しようと思います。OTRSでは、ITSMアドオンを追加したディフォルトの状態として、以下のような管理項目が用意されてます。
・タイプ
・顧客ユーザー
・キュー
・サービス
・SLA
・所有者
・本文
・ステータス
・保留期限
・優先度
・影響度
・重要度
簡単な問い合わせ管理で利用するだけであれば、この管理項目だけで十分なのですが、日本の企業のシステム運用としてインシデント管理を導入しようとすると、管理項目が不足している事が多く、そのようなユーザーの為にダイナミック・フィールドという機能を装備されています。(OTRS3.1からの追加機能です。)このダイナミック・フィールドはソースコードを修正することなく、Web操作で管理項目を追加することが出来ます。
追加できる管理形式は、次の通りです。
・チェックボックス形式
・年月日形式
・年月日時分形式
・ドロップダウン形式
・マルチ選択形式
・テキスト形式
・テキストエリア形式
参考までに以下の画面のように利用出来ます。
<ダイナミック・フィールドで管理項目を追加した例>
ドロップダウン形式では、ドロップダウンを選択した値により次のドロップダウンを抽出するような使い方も出来ます。例えば、ロケーションの管理項目で、「データセンター」を選択したら、ロケーション詳細の管理項目で、データセンター関連の項目のみを表示したり、「クラウド(AWS)」を選択したら、AWSのリージョンの項目のみを表示したりする使い方も出来ます。
<ドロップダウン抽出例1>
<ドロップダウン抽出例2>
また、チケットの管理項目画面をサービスや管理プロセスなどによって、別々の画面を表示させる使い方も可能です。詳しくは、弊社の導入支援でお問い合わせください。
2014/12/01 桜井耕造
以下のようなエラーが表示されるときの対処方法をご紹介します。
セキュアモードをOFFにすることで、正常に表示されます。これをONにしたままでは、OTRSでWebインストール画面を表示してしまうので、作業終了後は、OFFにすることがお勧めです。
<エラー解決方法>
(1)Config.pmを修正
# vi opt/otrs/Kernel/Config.pm // Config.pm に以下の記述を追加する。 $Self->{SecureMode} = 0;
(2)OTRSサービスを再起動
# service otrs restart
2014/10/20 桜井耕造
?キューとは
キューと言うと、メール・キューを思い出す人は少なくないでしょう。OTRSのキューもメール・キューのように利用し、キューごとにメールアドレスを紐づけて、サービス単位でメールアドレスを割り当ててキューを設定したり、顧客ごとにでメールアドレスを割り当ててキューを設定したり、利用方法は色々あります。しかし、OTRSでは、キュー単位に所属している担当者に通知する機能がありますので、部門や役割で分割して利用しても利用可能です。例えば、サービスデスク、二次受付技術チーム、ハードウェアベンダーなどチームごとに分別して、何処のチームでボールを握っているのかを管理する使い方が出来ます。
キューのエスカレーション(移転)
そのとき、チーム間でボールをエスカレーションする場合、権限の設定によっては、注釈が出来なくなったり、閲覧も出来なくなったりすることもあります。そこで、弊社ではエスカレーションするときに間違い防止の機能として、エスカレーション確認ダイアログボックスを作りました。
<エスカレーションを実施>
<確認画面>
本格的にOTRSを利用したりして権限を細かく設定したときは、あると良い機能です。本機能は、弊社の導入支援で提供しております。因みにOTRSのバージョンアップでデグレを起こしたことは一度もありません。
2014/10/13 桜井耕造
OTRSにWebにログインする為のパスワード機能について、ご紹介します。OTRSの認証ログインは、顧客向けの認証と担当者向けの認証があります。しかし、日本の企業にてWebシステムを利用するときは、大文字小文字英数字を混在させて8桁以上で利用させることをシステムで制御したいという要求もあります。そのような時、『パスワード強化』というアドオンを利用することで実現出来ます。
<パスワード強化で出来る事>
過去の利用パスワードを禁止: 12世代
ログイン失敗によるアカウント無効化: 10回
パスワードの有効期限: 30日
最低の文字混在数: 0個(なし)
大文字と小文字の混在数: 0個(なし)
最低パスワード桁数: 8桁
<OTRSユーザーのパスワードをコマンドで変更>
OTRSには、パスワードが忘れた時にパスワード初期か機能があります。しかし、開発環境や検証環境などでパスワードを忘れた時は、メール送信が出来ないことがあるかと思います。そのような時にコマンドからパスワードを変更する方法を紹介します。
①担当者のパスワードを変更したいとき
# /opt/otrs/bin/otrs.SetPassword.pl --agent admin password Set password for user 'admin'. Done.
②顧客のパスワードを変更したいとき
# /opt/otrs/bin/otrs.SetPassword.pl --customer test@192.168.3.15 password Set password for customer 'test@192.168.3.15'. Done.
2014/10/06 桜井耕造
<OTRS3.3.9のインストール手順>
過去に執筆したOTRS3.0のインストール手順を参考にすれば、現在の最新バージョン3.3もインストール出来ると思うのですが、機能追加により、若干手順も変更されていますので、最新版OTRS3.3.9をCentOS6.5にインストールする手順を紹介します。
(1)SELinuxを無効
OSをインストールした後のディフォルトは、SELinuxが有効になっていますので、無効にします。
# setenforce 0 # vi /etc/selinux/config SELINUX=disabled
(2)EPELリポジトリを追加
OTRSに必要なPerlモジュールをインストールするために、EPELリポジトリを追加します。
# wget http://dl.fedoraproject.org/pub/epel/6/x86_64/epel-release-6-8.noarch.rpm # rpm -ivh epel-release-6-8.noarch.rpm
(3)OTRS3.3の前提パッケージをインストール
OTRSをインストールする前に必要な前提パッケージをインストールします。ここでは、MySQLの手順です。
# yum -y install postfix dovecot # yum -y install mysql-server # yum -y install httpd mod_ssl # yum -y install gd gd-devel # yum -y install mod_perl perl-devel # yum -y install perl-libwww-perl perl-Net-DNS perl-IO-Socket-SSL # yum -y install perl-XML-Parser perl-TimeDate # yum -y install perl-Class-Inspector perl-SOAP-Lite # yum -y install perl-Crypt-SSLeay perl-Digest-SHA # yum -y install perl-GD perl-GDTextUtil perl-GDGraph # yum -y install perl-Encode-HanExtra perl-JSON-XS # yum -y install perl-Mail-IMAPClient perl-LDAP # yum -y install perl-PDF-API2 perl-SOAP-Lite perl-Text-CSV_XS # yum -y install vixie-cron # yum -y install perl-Time-HiRes # yum -y install perl-YAML-LibYAML # yum -y install perl-DBD-mysql # yum -y install perl-Encode-HanExtra # yum -y install perl-Crypt-Eksblowfish # yum -y install procmail # yum -y install perl-core
(4)OTRS3.3.9をインストール
OTRSをインストールします。
# wget http://ftp.otrs.org/pub/otrs/RPMS/rhel/6/otrs-3.3.9-01.noarch.rpm # rpm -ivh otrs-3.3.9-01.noarch.rpm 準備中... ########################################### [100%] Check OTRS user ... otrs added. 1:otrs ########################################### [100%] hostname: 不明なホスト Next steps: [httpd services] Restart httpd 'service httpd restart' [install the OTRS database] Make sure your database server is running. Use a web browser and open this link: http:///otrs/installer.pl [OTRS services] ?Start OTRS 'service otrs start' (service otrs {start|stop|status|restart). ((enjoy)) Your OTRS Team
(5)Perlモジュールのインストール確認
不足しているPerlモジュールがないかを確認します。全てのパッケージを入れる必要はないのですが、MySQLをご利用の場合は、以下のようになるようにして下さい。
# /opt/otrs/bin/otrs.CheckModules.pl o Archive::Tar.....................ok (v1.58 o Crypt::Eksblowfish::Bcrypt.......ok (v0.009) o Crypt::SSLeay....................ok (v0.57) o Date::Format.....................ok (v2.22) o DBI..............................ok (v1.609) o DBD::mysql.......................ok (v4.013) o DBD::ODBC........................Not installed! (optional - Required to connect to a MS-SQL database.) o DBD::Oracle......................Not installed! (optional - Required to connect to a Oracle database.) o DBD::Pg..........................Not installed! (optional - Required to connect to a PostgreSQL database.) o Encode::HanExtra.................ok (v0.23) o GD...............................ok (v2.44) o GD::Text.......................ok (v0.86) o GD::Graph......................ok (v1.44) o IO::Socket::SSL..................ok (v1.31) o JSON::XS.........................ok (v2.27) o List::Util::XS...................ok (v1.21) o LWP::UserAgent...................ok (v6.05) o Mail::IMAPClient.................ok (v3.34) o IO::Socket::SSL................ok (v1.31) o ModPerl::Util....................ok (v2.000004) o Net::DNS.........................ok (v0.65) o Net::LDAP........................ok (v0.40) o PDF::API2........................ok (v2.021) o Compress::Zlib.................ok (v2.021) o Text::CSV_XS.....................ok (v0.85) o Time::HiRes......................ok (v1.9721) o XML::Parser......................ok (v2.36) o YAML::XS.........................ok (v0.38)
(6)MySQLの設定、起動
BLOB型(画像などのバイナリを入れるカラム)を利用する場合、max_allowed_packetとquery_cache_sizeを最大BLOBカラム長より大きく設定する必要がある(デフォルトは1M)。
# vi /etc/my.cnf --- [mysqld] max_allowed_packet = 128M query_cache_size=128M //実メモリの1/4が推奨値 --- # service mysqld start # chkconfig mysqld on
(7)Apacheを起動
Apacheを起動し、再起動時も自動で起動するように設定します。
# service httpd start # chkconfig httpd on
(8)OTRS初期設定
ブラウザから次のURLにアクセスしてOTRS初期設定画面を表示させ、「次へ」を押下します。
http://<ホスト名またはIPアドレス>/otrs/installer.pl
「ライセンスに同意する」を押下します。
ディフォルトのまま「次へ」を押下します。
「データベース設定をチェック」を押下します。
otrsユーザーのパスワードをメモして、「次へ」を押下します。
続いて「次へ」を押下します。
?メールの設定は後で出来るので、「次へ」を押下します。
メールの設定は後で出来るので、「この手順を飛ばす」を押下します。
これで設定完了です。root@localhostのパスワードをメモして下さい。
(9)OTRSスケジューラの自動起動登録
以下のファイル(otrs-scheduler-linux)を/etc/init.d/?に置き、サーバ起動時に自動起動するように設定します。
otrs-scheduler-linux
# cd /etc/init.d/ # chmod 774 otrs-scheduler-linux? # chown root.root otrs-scheduler-linux? # service otrs-scheduler-linux start? # chkconfig --add otrs-scheduler-linux? # chkconfig otrs-scheduler-linux on # chkconfig --list | grep otrs-scheduler-linux? otrs-scheduler-linux 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off # service otrs-scheduler-linux start Starting OTRS Scheduler [ OK ]
(10)Apacheを起動
起動時にOTRSが自動起動するように設定する。
# chkconfig --add otrs
実際にOTRSを起動する。
/etc/init.d/otrs start Starting OTRS.. Checking httpd ... done. Checking database connection... Trying to connect to database DSN: DBI:mysql:database=otrs;host=127.0.0.1 DatabaseUser: otrs Connected. done. Enable /opt/otrs/bin/otrs.PostMaster.pl ... done. Checking otrs spool dir...? done. Creating cronjobs (source /opt/otrs/var/cron/*) ... done. -->> http://localhost/otrs/index.pl <<-- Final start of OTRS.. done
(11)OTRSにログイン
ブラウザから次のURLにアクセスして、ログイン画面が表示される。
http://<ホスト名またはIPアドレス>/otrs/index.pl
次の初期管理者IDとデフォルトのパスワードでログインできることを確認する。
1.ID: root@localhost
2.パスワード: ※先ほど生成されたパスワードでログインします。
※本番で稼働させる時は、パフォーマンス向上のための設定値は、いくつか修正してご利用下さい。
2014/09/29 桜井耕造
OTRSで管理しているチケットの作業工数を集計する機能について、ご紹介しようと思います。お客様からの問合せ(チケット)について、1つの問合せにどのくらいの作業時間を要したのかを管理したい時があります。作業した時間で課金するようなビジネス契約の場合に有効な機能かと思います。
<設定方法>
(1)『管理」の『システム設定』で『work units』と検索する。
(2)『Frontend::Agent』が表示されるので、クリックする。
設定項目の中に以下の3つの設定を修正することで利用することが可能になります。
?Ticket::Frontend::AccountTime: はい ※有効にします。
?Ticket::Frontend::TimeUnits: (分) ※チケットの表示単位を日本語に変更します。
?Ticket::Frontend::NeedAccountedTime: はい ※入力を必須にします。
以上で設定完了です。
<利用方法>
(1)『チケット』の『新規電話チケットの作成』を選択する。
(2)チケットを起票する画面の最終入力項目に「作業時間(分)」が表示されるようになりました。ここでは、起票にかかった時間である15分の値として、15と入力します。
(3)次に「注釈」や「返信」などよりチケットの対応時間を入力すると、そのチケットの合計時間が集計されて表示されます。ここでは、15分として入力すると、以下のように、このチケットに要した時間を集計して表示されます。
この機能はチケット毎に作業時間として集計されます。顧客ごとに作業時間を集計したい場合は、「CustomerTimeAccountingQuota」という有償アドオンが必要になります。このアドオンは、顧客のチケットを纏めて集計し、顧客Webインターフェースにも作業工数、残工数が表示されますので、契約されているお客様にも作業工数を共有することが可能になっています。
○顧客Webインターフェースの上部に残作業工数が表示される
○担当者Webインターフェースには契約時間(上)と残工数(下)が表示される
※設定方法は、OTRSより提供されている以下のURLの動画をご参照下さい。このアドオンのパッケージは、弊社のOTRS保守サポートでご提供していますので、御問い合わせ下さい。
2014/09/04 桜井耕造
2014年9月4日(木)よりOTRS3.3管理者マニュアルの日本語版を公開しました。
弊社も翻訳メンバーとして、翻訳しています。
品質向上のため、お気づきの点があれば、弊社のお問い合わせより
ご指摘して頂けると助かります。
暫くOTRS AG社へ訪問をご無沙汰していたので、2014年8月初旬にドイツのバード・ホンブルクにある本社オフィスを訪問しました。オーベル・エシュバッハという駅から閑静な住宅街を歩いて15分ほどの場所にあります。OTRS AG社の界隈には他にもIT企業がいくつかあり、大手企業ではヒューレット・パッカード社があり、ドイツの小さなシリコンバレーのような感じです。シリコンバレーでは広い大学のキャンパスのようですが、バード・ホンブルクはデザイナーズマンションような集合マンションにいくつかの企業が入っている違いがあります。
場所はこちらです。
現地の写真や開発ロードマップ(紹介できる範囲で)などは、オープンソースカンファレンスのセミナーにてお話しようと思いますので、是非ご興味のある方はご来場下さい。
オープンソースカンファレンス .Enterprise大阪2014
因みに、本社から車でちょっと走ったところにビール醸造所があるお店があって、昼間でもビールを堪能できるところです。ドイツらしいですね。